【宅建業法】代理と媒介の違いとは?|貸主が代理人を立てる理由もあわせて解説

こんにちは、辻せいやです。

今回は、宅建業法を学ぶ上で多くの方が最初につまずくテーマのひとつ、
「代理」と「媒介」の違いについて解説していきます。

用語の意味だけを読んでもピンとこないことが多いですが、実務と結びつけて理解すると、
宅建業法全体の仕組みがグッとわかりやすくなります。

特に今回は、賃貸取引を例にこの違いと活用方法を掘り下げますので、ぜひ最後までご覧ください。


■ 「代理」と「媒介」の違いとは?

まずは、それぞれの用語の意味を簡単に整理しましょう。

用語 意味 ポイント
代理 本人の代わりに契約当事者として行動する 代理人が「本人になり代わって契約」を結ぶ
媒介 契約の当事者同士を引き合わせる 自分は契約の当事者にはならない

つまり、「代理」は契約そのものを代理人が行う立場、
「媒介」は当事者同士をつなげる橋渡し役というイメージです。


■ 宅建業法上の免許要件

宅建業法では、次のように定められています:

他人の不動産について、貸借の代理または媒介を業として、反復継続して報酬を得て行う場合には、宅建業の免許が必要です。

つまり、他人の物件を媒介したり代理したりして報酬を得るなら、宅建業者としての登録が必要になります。

一方で、貸主自身が自分の物件を直接貸す場合(自己取引)には、宅建業免許は不要です。
たとえば、オーナーが自ら借主と契約を結ぶといったケースがこれに該当します。


■ じゃあ、なぜ貸主は代理人を立てるの?

「自分の物件を自分で貸すなら、免許も不要で自由にできるはずなのに、なぜわざわざ費用をかけて代理人を立てるのか?」

これはとても本質的な疑問です。

答えはシンプル。手間と時間を削減し、煩雑な業務を一元化するためです。

主な理由は以下の3つ:

① 手間がかからない

複数の媒介業者とやり取りして内見調整や交渉を行うのは非常に手間がかかります。
代理人に任せれば、その全てを一括対応してくれます。

② 専門知識と法的対応

契約書の作成や重要事項説明、クレーム対応など、法律の知識が必要な業務も含まれるため、プロに任せた方が安心です。

③ 継続的な管理業務のアウトソーシング

契約後も家賃管理や更新対応などが継続的に発生するため、管理業務を含めて代理人に任せることで、貸主の負担を大きく減らすことができます。


■ 管理の一元化:代理人を立てる最大のメリット

賃貸物件では、空室を早く埋めるために複数の媒介業者に同時に依頼するのが一般的です。
この場合、貸主がそれぞれの媒介業者と直接やり取りすると、対応が非常に煩雑になってしまいます。

そこで、代理人(通常は管理会社)を立てることで、業務の窓口を一つにまとめることができます
これにより、貸主は代理人に一括して任せるだけで済み、代理人が複数の媒介業者とやり取りを行うため、貸主は手間や時間を大幅に削減できるのです。


▼ 構図のイメージ

● 代理人なし(貸主が媒介業者と直接やり取り)

貸主
├── 媒介業者A(借主紹介)
├── 媒介業者B(借主紹介)
└── 媒介業者C(借主紹介)
→ 貸主がすべて対応するため手間がかかる!

● 代理人あり(管理会社が媒介業者とやり取り)

貸主

代理人(管理会社)
├── 媒介業者A
├── 媒介業者B
└── 媒介業者C
→ 管理会社が一元対応。貸主は指示と確認のみ!

■ 代理人を立てる貸主は多いが、すべてではない点に注意

賃貸取引では代理人を立てるケースが多いですが、
すべての貸主が代理人を立てているわけではないことにも注意が必要です。

例えば、小規模なオーナーや自己管理を好む貸主は、媒介業者と直接やり取りして契約を進めることもあります。

代理人を立てるかどうかは、貸主の運用方針や物件規模、管理の手間などを踏まえた判断となります。


■ まとめ

比較項目 代理 媒介
契約の当事者になるか ✅ なる ❌ ならない
宅建業免許が必要か ✅ 必須(他人の物件の場合) ✅ 必須(他人の物件の場合)
業務の一元化が可能か ✅ 代理人に任せられる ❌ 各媒介業者と個別対応が必要

貸主が代理人を立てるのは、
**「時間・労力を減らし、スムーズに安定した賃貸運用を行うため」**です。

ただし、すべての貸主が代理人を立てるわけではない点も覚えておきましょう。

宅建試験でも実務でも、「代理」と「媒介」の違いは非常に重要ですので、今回の内容を参考にしっかり理解を深めてください。

以上、次回もどうぞお楽しみに!

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